蚊以外の虫さされ
- 虫に刺されました!対処法は?
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皮膚に炎症を起こす虫には以下の様に色々なものがあります。
- 吸血によるもの:蚊・アブ・ノミ・ダニ・ブユなど
- 刺咬によるもの:ハチ・ムカデ・アリなど
- 毒毛によるもの:イラガ・ドクガなど
ここでは、蚊以外の有名な虫刺症について紹介します。
1.ブユ(体長5㎜程度)
野外での活動中に刺される事が多く、主に下肢に認められます。時期は春先から秋の終わりにかけて出現します。吸われた時には痛みもない為あまり気付かないのですが、後に発疹・紅斑や強い腫脹を生じます。「かゆみが長く続きやすい」と言われています。
2.ノミ(体長2㎜程度)
殆どがネコノミによるものと言われています。野良猫などが多い場所には注意が必要です。主に下肢に認められます。かゆみを伴い、大抵は「水疱を形成」します。
3.イエダニ(体長0.5㎜程度)
屋内では、イエダニが寝室内に侵入して吸血することで皮疹が生じます。大抵は就寝中に吸血されます。「露出部だけでなく、体や太ももにも」出現します。かゆみを伴う、赤く小さなブツブツが散在して認められます。
4.マダニ(体長5㎜程度)
屋外ではマダニに注意が必要です。刺された時には痛みが無い為気付きにくく、「数日間皮膚にくっついて」吸血し続けます。吸い終わると皮膚から落ちます。5月~7月頃に認められます。マダニの種類によっては感染症(Lyme病・日本紅斑熱など)を媒介することもありますので、刺された後は発熱症状などに注意する必要があります。
5.ハチ(種類により様々)
上記の虫たちと異なり、「刺された瞬間に激しい痛み」を伴います。初めてのものであれば時間経過に伴って軽快しますが…。毒成分に対する即時型アレルギー反応を生じた場合は、蕁麻疹・紅斑などが出現します。重度の場合はアナフィラキシーショックを生じる場合があり注意が必要です。ハチに2回刺されたからといって必ずしもショックを来たすとは限りませんし、初回でも起こすことはあります。
6.毛虫(種類により様々)
チャドクガ・イラガによるものが大半を占めます。体に生えている小さな毒針毛が皮膚に付着することによって皮膚炎を起こします。主に露出部に生じます。かゆみの強い丘疹が「集簇して多発」します。遅延型アレルギー反応を来たすことが多いので、大抵は触れた翌日に気付きます。
7.アオバアリガタハネカクシ(体長6㎜程度)
アリに似た見た目です。黒と茶色が交互に並んでいる色調をしています。一度見ると忘れないので、是非検索してみてください。虫の体液が線状に付着して炎症を起こします。痛みを伴う発赤や水疱が「線状に並び」、2週間ほど炎症が続きます。あまりステロイド外用薬の効果が認められません。
<対処法>
患部を石鹸洗浄し、水で洗い流してから薬剤を塗布します。(毛虫の場合はまず、粘着テープを皮膚に貼ってはがして毒毛針を除去します。)ステロイド外用薬を使用します。かゆみが強い場合は抗ヒスタミン薬の内服を併用します。感染を伴った場合は抗生剤を使用します。
マダニの場合、虫体を無理に引っ張ると口のみがちぎれて皮膚に残ってしまいます。そこに肉芽腫が出来てしまうため、口も含めて虫体全体を摘除する必要があります。ワセリン(刺されて2日以内)や酢を使う方法もありますが、確実なのは医療機関での摘除です。
ネコノミやイエダニは発生源を潰さなければ新たな刺傷の出現を止めることは出来ません。イエダニ(ネズミの巣)、ネコノミ(野良猫が多い場所)自体への対処を行いましょう。チャドクガはツバキやサザンカ、イラガはサクラやカエデに多く、不用意に近づかない様に気を付けましょう。