頭部打撲関連
- 子供が頭を打ちました。どうすれば…。
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子供は遊ぶときは夢中になってしまうため周りがみえなくなってしまい、外傷を負う事が多いです。さらに、大人に比べて体に対して頭が大きい為、転倒した時に頭部打撲が起こりやすくなっています。
子供の頭蓋骨は薄くて脆く、軽度の外傷でも骨折が起こり得ます。成人に比べて陥没骨折や縫合剥離骨折(頭蓋骨の骨の継ぎ目の骨折)の比率が高いです。
頭を打った際に、様子を見るべきなのか、すぐに病院に連れていくべきかの判断は難しい所なのですが、以下のような症状がある時には病院(できれば脳神経外科)を受診する必要があります。- 意識がはっきりしない
受傷直後から意識が清明であれば、生命を脅かすような脳損傷の可能性は低いです。
すぐに泣いて、その後も普通にしていればあまり心配はありません。頭をぶつけた子供はほとんどが大泣きします。大泣きした後は大抵眠ってしまいます。起こすのは心苦しいのですが、意識の確認のために少なくとも1時間毎には起こして反応を見てください(出来れば4-6時間ほどは)。 - 高い場所からの転落
2歳未満は0.9m以上、2歳以上は1.5m以上からの転落の場合は注意が必要です。 - 打撲の部位
前頭部は比較的骨が厚いので骨折の可能性は低いのですが、骨が薄い側頭部や骨縫合の多い後頭部は注意が必要です。 - 出血が止まらない傷がある場合
傷の確認や止血処置が必要です。 - 嘔吐をしている
子供は大人と比べて、衝撃によって嘔吐中枢が刺激されて嘔吐が起こりやすくなっています。特に頭をぶつけた直後から2時間ぐらいまでは嘔吐が認められやすいです。1-2回吐く程度では問題が無いことが多いですが、何回も持続性に吐き続ける場合は頭部病変の検索が必要です。 - けいれんがある
脳震盪を起こしているだけの事もありますが、脳挫傷が認められる可能性もあります。 - 普段と明らかに様子が異なる
普段と比べ、明らかに元気がなかったり、顔色が悪かったり、哺乳状態が悪かったり、呼吸の様子が異なる様な場合は、病院受診をしてください。
普段お子様と接しているご家族の直観は、とても重要な判断材料となります。お子さんの場合は、ぶつけた直後に症状が現れない場合がありますので、ぶつけてから24時間ほどは慎重に経過をみてください。
- 意識がはっきりしない