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よくあるご質問 - 咳・鼻関連|東大阪市御厨西ノ町の小児科・アレルギー科 - もしもしキッズクリニック

よくあるご質問

Q & A

Q & Aよくあるご質問
(咳・鼻関連)

咳・鼻関連

鼻吸引はした方が良い?

乳幼児の鼻水(特に後鼻漏という、のどに粘液が垂れ込んでいる状態)は咳嗽だけではなく、喘鳴や吸気性の呼吸困難(息を吸いにくい)などの症状を伴ったり、哺乳力の低下や不機嫌などの原因となる事もあります。鼻汁吸引はこれらの症状の改善に有効です。
特に3歳未満の子供は自分で鼻がかめないことが多いため、必要性は高くなります。

家庭で実施する場合は市販の鼻汁吸引器を購入する事になります。いくつか種類があるのですが、値段や吸引力などの違いがあります。

据え置き型の吸引器(1-2万円程度)

しっかり吸えます。値段の高さと場所をとる事、持ち運びに不便である事が欠点ですが一番お勧めです。

電池式(5000円程度)

持ち運びに便利、口で吸わない為感染症を貰いにくいなどのメリットはありますが、吸引力が弱いことがデメリットです。

口吸引orスポイト式(1000円程度)

安く手に入ります。口吸い式の吸引器の吸引力は使う人次第ですので、頑張って吸えばしっかり吸えます。ただ、直接口に鼻汁が入る訳では無いですが、感染症を貰う可能性があります。
スポイト式にはその心配はありませんが、吸引力は弱いです。水様性のサラサラした鼻汁は良いのですが、吸引力が弱いと粘調度の高い膿性鼻汁がなかなか吸引できません。

ちなみに私は据え置き型の吸引器を購入して自宅に置いてあります。子供が小さな頃は良く使用しました。鼻がつらい時は自分自身に使うこともあります。

鼻汁・鼻閉は夜に認められやすい特徴があります。日中は交感神経優位のため鼻粘膜は収縮しており鼻は通りやすいのですが、夜は副交感神経優位になるため、鼻汁の分泌が増えるだけではなく、鼻粘膜の腫脹が起こります。特に夜間就寝中や明け方は強くなる傾向があります。
また、特に冬場はさらに寒冷刺激による鼻汁分泌が促進され、鼻汁の過分泌が起こりやすくなります。

鼻汁を分泌する鼻腺の数は体表面積あたりでは成人よりも小児の方が多いため、分泌量が多くなると言われています。鼻呼吸が主であり、口呼吸が困難な低年齢児ほど鼻汁過多による鼻閉が生じやすい傾向にあります。夜間(特に冬場)お子様が苦しそうにしている場合は、鼻汁吸引を試してみて下さい。

子供の咳が長引くのはなぜ?

正常の気道では、気管の内面全てが粘液の層(異物を捕らえる層)で覆われています。その粘液の層が線毛(異物を運び出す毛)の動きによって咽喉頭(口側)に向かって移動し、常に気管内を清掃しています。運ばれた異物は痰として体外に排出されたり、胃に入って分解されたりします。
咳(湿性)は大抵この粘液の動きの停滞が原因です。特に子供は粘液の増加によって掃除が間に合わず停滞しやすい事に加えて、吐き出す力が弱いため咳嗽が長引きます。さらに線毛は「冷たくて乾いた空気」で機能が低下するため、冬場には特に咳が治りにくくなります。夏場であってもクーラーによる乾燥は線毛の大敵です。

以上から子供の咳は長引きやすいもの(特に冬場)と言われています。咳嗽の原因としては呼吸器感染症(ウイルス性気道感染)が全小児期を通じて多いと言われていますが、長引く咳嗽の中には注意すべき疾患が隠れている事があります。
以下に、各年齢層で注意すべき咳嗽の原因疾患について記します。

<新生児期>
  • 先天異常:出生後・乳児期早期に、息を吸った時の喘鳴が続く場合注意が必要です。
  • 誤嚥:哺乳時に多く認められ、哺乳障害や胃食道逆流症が原因となります。
  • 百日咳:一般的に、発作的に起こる連続したせき込み(staccato)に続いて、ヒーッと息を吸い込む吸気性笛声(whoop)を認めるとされる疾患ですが、6か月未満の乳幼児ではこのような症状は目立たずに無呼吸を起こす事があります。
<幼児期>

生活範囲が広がるため、感染症に加えて喘息などのアレルギー疾患の割合が増加します。

  • 後鼻漏症候群(副鼻腔炎・アレルギー性鼻炎):咳嗽は起床時に最も強く、日中は断続的に痰が絡む咳があります。喉の奥を見ると、喉の後壁に粘液の垂れ込みを認める事が多いです。
  • 気管支喘息:ホコリや煙、運動などの刺激によって誘発され、息を吐くときにヒューヒューとした喘鳴が認められます。発作は夜22時~明け方6時前後に起きやすいと言われています。
  • 気道異物:特に幼児期前半に注意が必要です。ピーナッツなどの豆類の頻度が高いと言われています。突然の喘鳴や咳嗽によって発症し、気管支に嵌頓すると逆に咳嗽は減少します。胸の音を聞くと、詰まっている側の呼吸音の減弱や喘鳴が聞こえます。
<学童期・思春期>

喘息・鼻炎・副鼻腔炎の頻度が上がります。思春期になると心因性咳嗽に加えて、咳喘息・アトピー咳嗽の可能性が出てきます。

  • マイコプラズマ、クラミジア感染症:上記を原因とする肺炎に罹患すると、長引く咳嗽を引き起こします。抗菌薬による治療を行った後も乾いた咳嗽が持続する事があります。原因として、感染後の気道過敏性亢進や咳受容体の感受性亢進が考えられています。
  • 心因性咳嗽:日中に激しく咳込むのですが、寝ている時や遊びに熱中しているときは全く認めない乾いた咳嗽が特徴です。時に喘息と診断されて喘息治療薬が追加されると、不安がかきたてられて、逆に咳嗽が増強する事があります。
  • 咳喘息:長引く乾性咳嗽が認められます。いわゆる気管支喘息の急性増悪のような喘鳴や呼吸困難は認めません。β2刺激薬と吸入ステロイドが有効です。
  • アトピー性咳嗽:喘息で使用する様な気管支拡張薬は無効です。抗アレルギー薬(ヒスタミンH1受容体拮抗薬)とステロイド薬が有効です。咳の性状としては乾いた咳嗽となります。小児では成人と比較してまれと言われています。