WEB予約
MENU

魚アレルギーに関して|東大阪市御厨西ノ町の小児科・アレルギー科 - もしもしキッズクリニック

魚アレルギーに関して

Fish allergies

Fish allergies魚アレルギーに関して

魚アレルギー

魚の主要アレルゲン(パルブアルブミン。魚の筋肉を構成。魚種によって含有量に差がある。マグロ・カジキ・カツオは含有量が少ない魚として有名。)は魚種間で交差反応性を持つため、魚アレルギーの方は複数の魚に反応する事が多いと言われています。半分程度の方が複数の魚に反応します。
それ以外にはコラーゲンもアレルギーの原因物質です。こちらも魚同士では構造が似ており、交差反応性があります。

パルブアルブミンは熱に強く、少々加熱調理してもアレルゲン性はほぼ低下しませんが、高圧・高温処理する缶詰などはアレルゲン性が低下することが知られています。カツオ節などの出汁は、発酵の過程でパルブアルブミンなどのタンパク質が分解を受けているため、摂取可能なことが多いです。
また、水溶性なので煮汁に溶けだす性質があります。よって、何度も煮たりした後の魚肉はパルブアルブミンの含有量が減り、低アレルゲン化します。また、ちくわやかまぼこ等の練り製品は製造工程の中で水にさらされるため大部分のパルブアルブミンが洗い流され、こちらもアレルゲン性が低下します。
ただコラーゲンは不溶性(加熱によって水溶性となる)ですので、水にさらしても抗原性に変化はありません。コラーゲンがアレルゲンの方は、練り製品にも注意が必要です。

一般的に行う事の出来る血液検査(特異的IgE抗体価)ではごく一部の魚しか測定する事が出来ません。診断の際には血液検査のみでは判断しきれず、経口食物負荷試験によって確認しなければいけないケースが多く存在します。
加えて、アレルギー症状が出現するかどうかの予測に魚の生物学的な分類はあまり当てにならず、それぞれ個別に判定を行っていく必要があります。
その為、卵や乳などのアレルギーと比較して診断に時間がかかる傾向にあります。
血液検査の結果を参考に、アレルゲン性が低い食材から摂取を開始し、食べる機会の多い魚を優先して食物負荷試験を行っていくことになります。

魚アレルギーの鑑別

ヒスタミン中毒

魚の中には、アミノ酸の一種であるヒスチジンを多く含んでいる魚種(サバ・ブリ・カツオなど)があります。
魚肉の中の腐敗細菌などによってヒスチジンからヒスタミンが生産され、それが多く含まれた魚肉を摂取した時にアレルギーと同じ反応を認めることがあります。鮮度の悪い魚には注意が必要です。加熱調理しても分解されません。
いつも問題なく食べれている魚種を食べた際に、蕁麻疹や口腔内の違和感を認めた時はヒスタミン中毒かもしれません。

アニサキスアレルギー

アニサキスは魚やエビに寄生する寄生虫です。
アニサキスが寄生しやすい魚類(サバ・ブリ・カツオ・アジ・イワシ・イカなど)の摂取時にアレルギー症状を来たした時に疑います。すぐに症状が出ることもありますが、半日ほどたってから症状が出る場合もあります。加熱などによってもアレルゲンの低下は認められません。
血液検査で抗体価が陽性だからと言って診断が確定する訳ではありませんが、ImmunoCAPでClass4以上では可能性が非常に高いと言われています。

魚アレルギーの鑑別